半月板損傷によるロッキングニーの一考察  水田 寛一(岩見沢ブロック)

生 年 月 日 昭和25年3月1日
開業年月日 昭和61年4月
開 業 場 所 美唄市大通東1条南5丁目
卒業年月日 昭和57年3月卒
出 身 校 北海道柔道整復専門学校
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水田 寛一
(岩見沢ブロック)

<<はじめに>>

ロッキングニーとは、膝関節が急に15度〜30度を残し完全に伸展できなくなるものを言い、半月板損傷端大腿骨関節面と脛骨関節面との間に挟まれた状態である。つまり、膝の屈曲・伸展および下腿に捻りの外力が繰り返されることにより発生することが多く、膝関節は伸展位から屈曲してくると脛骨は大腿骨に対して内旋し、逆に伸展に伴い脛骨は外旋する。
また、足関節が地面に固定されていると大腿骨が脛骨に対して内外旋を行うようになる。このような膝関節の動きに合わせ、半月板は位置・形が変化する。激しい運動中、半月板は絶えず牽引・圧迫・捻りの力が作用しているため、ついには損傷しロッキングが発生する。

<<症例>>

患 者

60歳主婦

既往歴

特になし

原 因

初検日前日、駅階段を降りる際バランスを崩し捻って右膝関節を負傷。

初検時

家族に肩を担がれ患側下肢を床につけない状態であった。

主 訴

歩行不能、膝を伸展しようとすると激痛を伴う。

所 見

膝関節の伸展制限完全伸展位0 °とする-30度

<<整復>>

1 .患者仰臥位、膝関節軽度屈曲30度
2 .一方の手で膝関節を把握して拇指を内側の関節裂隙部にあてる。他手にて踵部を把握して膝関節を完全屈曲位とする。
3 .膝関節内側を開かせるように股関節を内転内旋させながら下腿を外旋。
4 .伸展すると、全く無痛の状態で整復される。膝は完全伸展が可能になった。

<<施術>>

後療はSSPを15分施し、キネシオテープで5 回位固定を行い、その後サポーターでの固定にする。急激な屈曲・伸展・内旋・外旋の注意、膝関節支持筋・大腿四頭筋の症状改善を得るため大腿四頭筋・ハムストリングスのストレッチングを患者に指導した。

<<まとめ>>

膝関節の内側半月板の嵌頓症状(ロッキング)は、傷ついた半月板が関節にくさびのように挟まっているのです。激痛は損傷した半月板が嵌頓している状態で体重をかけることにより半月板に剪力が加わるものと、本来の位置にない半月板が関節を覆う膜(滑膜)を刺激しているものだと思われます。膝関節軽度屈曲位(30度位)にて牽引しながら整復します。牽引を長時間持続させることが愛護的な整復に重要です。整復後は完全伸展が可能となり軽度疼痛があったので後療法3 週間施し完治した。