第11回 鍼灸師会・柔道整復師会 合同特別学術講演会

日  時 令和5年11月18日(土)午後4時00分~
場  所 旭川市民文化会館
出  席 会員29名 研修員2名
講  師 いかわ脊椎クリニック 院長 猪川 輪哉先生
演  題 脊椎の病気あれこれ -紹介してほしい患者さんはこんな人-

 旭川鍼灸師会是元佑太副会長の司会で始まり、学術部より報告事項がありました。宮崎譲会長の挨拶ではコロナ禍の影響もあり5年ぶりに合同学術講演会が開かれたこと、猪川輪哉先生への謝辞を述べられました。次に稲川広基学術部長より猪川先生のご紹介後、講演が始まりました。

猪川輪哉 先生

【脊柱管狭窄症について】
長く歩いていると痛みが出る、腰掛けると痛みがなくなるなど、鑑別方法や理屈、造影写真を用いて説明していただきました。理学療法では低周波をかけると血流が良くなる人と悪くなる人がおり、この現象によって症状が好転したり悪化したりする人がいることを説明されました。
【椎間板ヘルニアについて】
座ると痛み、臥位では症状が楽になるといった概要から、ヘルニアの多くは手術の必要がなく、マッサージや低周波は行った時のみしか効かないですが、患者の満足度は高く、我々にとって非常に重要なことを教えていただけました。
【骨粗鬆症について】
治療が始まって20年しか経っておらず、骨が曲がった状態でまたくっついて固まっても許されてしまう今の医療の現状を説明されました。猪川先生の病院ではBKP法というバルーンを膨らませたところにセメントを流し込み固める方法を使用していることを説明されました。
【ぎっくり腰について】
 ぎっくり腰ではないものが混ざっているものも多く、解離性大動脈瘤、尿管結石、化膿性脊椎炎などがみられることがあります。動作に関係ない激痛の腰痛は注意が必要であり、朝方の激痛は癌などレッドフラグのため見落としはしないようにと注意点を教えていただきました。
【腰椎分離症について】
 症状がないことも多く、終末期にはくっつかず早期発見早期対応が望まれること、多くの医師はステージの評価をせず一律にしてしまいがちなため、学生であれば年齢に応じて判断し、親と一緒に相談しながら計画を立てることが重要だと教えていただきました。

講演会の様子

頸椎や胸椎の疾患についても説明され、講演の合間には猪川先生の性格や趣味の話を織り交ぜ、とても受講しやすい空気を作っていただきました。質疑応答では様々な質問に快く丁寧に回答していただき、旭川鍼灸師会山川光明学術部長より謝辞が述べられ終了しました。