脊髄刺激療法(SCS)勉強会に参加

平成23年11月25日(金)午後7時より、市立室蘭総合病院2階講堂において、日本メドトロニック株式会社共催の『脊髄刺激療法勉強会』が開催され、近隣の医師の方々と共に室蘭市近隣の会員数名が参加しました。

勉強会は、脳神経外科副部長 小浜郁秀 先生が講師を務められ、脊髄刺激療法の概要・適応・実際の症例に関して行われ、質疑応答で終了となりました。

 

  
最初、脊髄刺激療法といいましても、あまり聞いたことがない方が多いと思いますが、歴史は古く、1967年より始められました。日本では1971年より実施され、1992年よりリード線と受信機が保険適用となり、1999年にすべて保険適用となりました。

  

共催された日本メドトロニックでは、40年以上にわたり世界68カ国で約25万人以上の実績があり、平成10年に厚生労働省の承認を受けて約5千人が実施されています。
北海道では11年前より実施され、年間20~30件、200人以上が手術されています。

 

何に効果があるかといいますと、日本においては主に慢性難治性疼痛の緩和のため実施されています。脳卒中などによる四肢のや肩手症候群、複合性局所疼痛症候群(骨折・挫傷・打撲などによって引き続いて起こる慢性疼痛症候群など)、腰椎の手術後に残存する腰痛や下肢痛などの症状、神経根性疼痛(脊柱管狭窄症・頸椎症など)、脊椎損傷後の痛み、末梢神経・末梢血管障害による痛み、難治性の狭心症、幻肢痛などいろいろな痛みの緩和に効果が認められています。

効果判定のために試験刺激(1週間位)が容易にできて、最終的な埋め込みの決定権は本人にあり、脊髄や神経を損傷することなく可逆的で安全性が高く、テレビのリモコン操作程度の技術で器械を操作できるということでした。

柔道整復師としては慢性疼痛や難治性疼痛の患者様は業務範囲外ですが、リウマチや帯状疱疹、手術後の患部の痛み、投薬などで効果がない痛みを持っているなどの既往症がある患者様もいらっしゃいます。そんな方々には我々も治療の選択肢としてご紹介することができますし、小浜先生におかれましては、脳神経外科が専門ですが、手や脊椎などの手術もされ、広範囲の疾患に対して診察や相談にのっていただけるとの事でした。このような勉強の機会をいただき感謝に耐えません。
最後に医局地域連絡室地域連携係長の 新井一 様には大変お世話になりありがとうございました。