学術講演会開催予定

演題 「慢性疼痛は脳・脊椎の疾患」 脊椎脊髄疾患と脊髄刺激療法
講師 市立室蘭総合病院 脳神経外科副部長 小浜 郁秀先生

小浜先生には、昨年の11月に市立室蘭総合病院において、『脊髄刺激療法勉強会』が開催され、近隣の医師の方々と共に室蘭市近隣の会員が勉強させていただきました。

脳神経外科医というと脳卒中などの脳血管関係の専門医と思われますが、spinal surgeryとしてアメリカでは65%が脳脊椎脊髄の手術を行っています。

最初に主な痛みの治療方法、痛みの神経生理・解剖学的メカニズムについて、頚椎・腰椎疾患について、各症例の主訴、既往症、現病歴、実施した治療、治療経過を説明いただきました。

次に痛みの分類、神経障害性疼痛に対する薬物療法について、SCSの機序と疼痛緩和のイメージ、電気刺激鎮痛の歴史、SCSの歴史と特徴について、具体的な治療方法、SCSの承認疾患と適用について、CRPS・FBSS・心血管病変、脳卒中などについて、実際に行ったトライアルと手術の様子、海外での効果に対するデータ、合併症と注意事項、適応条件、今後の展望について講演いただきました。

埋め込み装置は、昨年まで3~5年で電池交換の手術が必要でしたが、今年になり小型化が進み、皮膚の上から当てるだけで充電できる物が開発され、
耐用年数も9年という商品が使われています。
現在、3次元センサーによる自動プログラム通電、刺激装置の小型化やMRI撮像可能な装置の開発が進み、5×4極電極が保険適用の方向に進んでいます。

効果判定のために試験刺激ができ、最終的な埋め込みの決定権は本人にあり、脊髄や神経を損傷することなく可逆的で安全性が高いSCSは画期的な治療法と言えます。

我々の質問にも快くお答えいただき大変勉強になりました。